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腰痛持ちに最適なマットレスの硬さとは?

腰痛は今や国民病とされており、日本国内において全人口の3割以上が腰痛に悩まされているというデータが出ています。

腰痛に悩まされる状況は非常に多いのにも関わらず、原因不明の腰痛は全体の80%以上とされており、精密検査を行っても腰痛の原因がわからないことが多いです。

横須賀えびの治療院へ来院される腰痛患者様からは「マットレスの硬さ」「枕の高さ」など寝具に対するご質問を大変多くお聞きします。

ここ数年の流れとして、寝具が体に及ぼす影響があるという情報が非常に多く出回るようになりました。

腰痛に悩む方にとって、睡眠中の体勢や使用する寝具は非常に重要だとされています。

特に「マットレスの硬さ」は、腰痛に大きな影響を与える要因として非常に注目されています。

しかし、マットレスの硬さが腰痛にどのような影響を及ぼすのかについては、個々の体型や症状に応じて異なる結果が出ていることも確かです。

そこで今回は、最新の研究結果をもとに、腰痛持ちにとって理想的なマットレスの硬さについて徹底解説していきたいと思います。

腰痛持ちの方にとって最適なマットレスの硬さ

はじめに腰痛持ちの方がどのようなマットレスの硬さを選択するべきなのか、最新の研究結果や論文を元に詳細に解説していきます。

ここ数年、多くのアスリートが寝具へのこだわりを発信したり、通販番組などでも枕やマットレスの販売が多くされているため、腰痛持ちの方にとって、マットレスの硬さは重要な要因なのではないか?とされています。

しかし腰痛持ちの方にとってマットレスの最適な硬さに関しては個々の状況によって異なるという結果が出ています。

つまり、腰痛持ちの方にとって最適なマットレスの硬さの答えは現時点で明確にされていない。ということです。

寝具が体に及ぼす影響を調べた論文などは数多く存在しますが、明確な答えが出ていないのには理由があります。

それは、寝具の硬さが腰痛に与える影響に関する研究結果は一貫性がないからです。

腰痛持ちに方にとってマットレスの硬さによって腰にいい影響があるという結果もあれば、悪くなるという結果もあり、中には何も変わらなかったという結果もあるのです。

腰痛改善に最適なマットレスの硬さは存在する?

まず初めに、2003年の研究では、慢性的な非特異的腰痛を持つ患者313名を対象に、硬いマットレス(硬さを10段階で評価した場合、平均2.3)と中程度の硬さのマットレス(硬さを10段階で評価した場合、平均5.6)の効果を比較したという研究を行っています。

その結果、中程度の硬さのマットレスを使用したグループで、腰痛の改善が有意に見られました。

この研究は、中程度の硬さのマットレスが、脊椎の自然なカーブを維持しながら体圧を分散させ、腰痛軽減に効果的である可能性があるということを示しました。

また、2008年の研究では、特定の体圧分散型寝具システム(マットレスとピローのセット)が睡眠の質や腰痛に与える影響を調査しました。

この研究では、59名の被験者に特定の寝具を90日間使用させた結果、腰痛の軽減率が63%、睡眠の質の向上率が78%に達したと報告されました。

これらの結果によって、適切に設計された寝具が腰痛を軽減し、全体的な睡眠の質を向上させる可能性があることがわかりました。

腰痛改善に最適なマットレスの硬さは存在しない?

一部の研究では、マットレスの硬さに関して明確な優位性が確認されない場合もあり、これは被験者の体型や生活習慣、睡眠姿勢など多くの要因が影響しているためと考えられます。

2015年の研究では、さまざまなマットレスのデザインが睡眠の質、痛みの軽減、脊椎のアライメント(歪み)に与える影響を評価した複数の対照試験を分析したデータがあります。

データ集計の結果マットレスの硬さやデザインが腰痛の改善や睡眠の質向上に与える影響は一貫しておらず、明確な優位性を示す証拠は限定的であると報告されています。

著者らは、マットレスの選択が腰痛や睡眠の質に及ぼす影響は個人差が大きく、特定のマットレスが全ての人に効果的であるとは言えないと結論付けています。

同じく2015年に早稲田大学で実施された研究では、異なる硬さのマットレスが運動選手の筋硬度に与える影響を研究しました。

被験者は複数のマットレス(硬いマットレス、柔らかいマットレスなど)を1週間ずつ使用し、就寝前後の筋硬度を測定しました。

特定のマットレス使用時にある一定の筋肉の筋硬度の有意な上昇が見られましたが、他の筋群(脊柱起立筋や腹直筋)では有意な変化は認められませんでした。

このことから、マットレスの硬さが全ての筋群に均一な影響を及ぼすわけではないことが示唆されました。

この結果から、マットレスの硬さが特定の筋群にのみ影響を及ぼす可能性や、被験者の適応能力、睡眠姿勢などの要因が結果に影響している可能性を指摘しています。

なぜ一貫性がないのか?

例えば、体重が重い人は柔らかいマットレスでは沈み込みすぎて脊椎のアライメントが崩れる一方、軽い人は硬すぎるマットレスでは体圧が分散されず、肩や腰に負担がかかる可能性があります。

また、仰向け寝、横向き寝、うつ伏せ寝といった睡眠姿勢に応じて、最適なマットレスの硬さが異なることも指摘されています。

横須賀えびの治療院へ来院される患者さんからも多く質問を受けますが、寝る体勢はどんな体勢がいいですか?と聞かれることがあります。

残念ながらいい体勢もないのです。

理由は簡単で、寝た後の体勢はどうなっているのかわからないし、意識することもできないからです。

さらに、体に合わない寝具を使用しても腰痛を感じない人がいる理由として、痛みの感じ方の個人差や適応能力が挙げられます。

人間の身体はある程度の環境に適応する能力を持っており、不適切な寝具を使用していても短期間では腰痛を感じない場合があります。

また、腰痛の発生には、姿勢、運動習慣、ストレス、生活習慣など多くの要因が関与しているため、寝具だけが決定的な要因ではありません。

個々の体型や症状に応じたマットレス選び

腰痛持ちの方にとって、マットレスの硬さは睡眠中の姿勢や腰への負担が増加する可能性があるという研究結果が存在することは確かです。

しかし全てが腰痛へ悪影響を及ぼすわけではなく、研究結果にも一貫性がないことがここまでの記事でお分かりいただけたかと思います。

理由は様々ありますが、腰痛の原因はさまざまであり、その改善や予防には何か一つだけが影響することがないからです。

また、多くの腰痛持ちの患者さんが勘違いをしている部分ではありますが、腰痛は腰で痛みを感じているわけではなく、腰の状態を神経を介して脳へ送り、脳が痛みとして(感覚として)感じているだけなのです。

また痛みは主観的なものであり、誰かと共有することはできません。

同じものを食べても、美味しいと思う人もいればまずいと感じる人もいます。

つまり、マットレスの研究結果からもわかるとおりマットレスに寝た時の感覚にも個人差がありますし、痛みの感じ方の個人差(痛みに対する価値観)によって結果に一貫性が持てないということも考えられます。

しかし、それで話が終わってしまってはせっかくこの記事に辿り着いていただいた方へ申し訳ないので、ここからは体型別に体を見た際に、おすすめのマットレスの硬さや、寝る体勢によって体に起こる影響をそれぞれまとめました。

腰痛持ちの皆さん、また腰痛持ち以外の皆さんもご自身の寝具を選ぶ際の参考にしてみてください。

体型別の腰痛への影響とマットレスの硬さ

痩せ型

痩せ型の方は体重が軽いため、マットレスの硬さが腰痛に大きく影響する可能性が高いです。

硬いマットレスを使用すると、肩甲骨や骨盤などの突出部が過剰に圧迫されるため、血流が妨げられ、筋肉が緊張する可能性があります。

この状態が長時間続くと、腰椎の自然なカーブが損なわれ、腰痛が悪化するリスクが高くなることが考えられます。

また、柔らかすぎるマットレスでは体が沈み込み、脊椎全体が支持を失い、腰椎に過剰な負担がかかる可能性があります。

痩せ型の腰痛持ちの方にとっては、マットレスの硬さが体圧分散に直接影響するため、腰への負担を軽減する設計が求められます。

頻繁な寝返りを必要としないように抱き枕を巻くことで、腰痛の予防と睡眠の質向上が期待できます。

マットレス選びや枕選びの際も、企業やメーカー側のおすすめなどに惑わされず、多くのマットレスを試してみて、感覚的に柔らかすぎず硬すぎないものを選ぶといいでしょう。

上記の論文の10段階評価で例えるなら3から4くらいの硬さのイメージがいいでしょう。

肥満型

肥満型の方は体重が重く、マットレスの硬さが腰痛の改善に重要な役割を果たす可能性があります。

柔らかすぎるマットレスでは、腰椎部分が過剰に沈み込み、脊椎全体のアライメントが崩れ、腰痛が悪化する可能性があります。

一方で、硬すぎるマットレスでは体圧が肩や骨盤に集中し、局所的な痛みや筋緊張が生じやすくなります。

上記で紹介した論文の10段階評価で例えるなら、7から8くらいの硬さがおすすめでしょう。

特に腰痛持ちの肥満型の方にとっては、体圧を分散させながら腰椎を安定させるようなマットレスの硬さが求められます。

睡眠姿勢別の腰痛への影響とマットレスの硬さ

仰向け寝

仰向け寝は、腰痛持ちの方にとって脊椎の自然なS字カーブを維持しやすい姿勢です。

しかし、マットレスの硬さが不適切だと腰痛を悪化させる可能性があります。

柔らかすぎるマットレスでは骨盤が沈み込み、腰椎が過剰に屈曲することで腰痛が発生します。

一方、硬いマットレスでは仙骨や肩甲骨が直接圧迫され、不快感や筋緊張を引き起こします。

腰痛持ちの方が仰向け寝で快適な睡眠を得るためには、腰椎の自然なカーブを支えながら、肩や骨盤への圧力を分散するマットレスの硬さを選ぶことが重要です。

仰向け寝の場合、骨盤自体が前傾方向へ向くため腰椎は反る形を取りやすくなります。(反り腰方向)

腰の下部に痛みが強く出る人や腰をそらす動きをした時に痛みが出る人は、仰向けで寝ていると腰の痛みが強くなる可能性が非常に高いです。

日中の腰の痛みの出方によって夜寝る時の体勢を意識するのも腰痛持ちの方にとっては必要な能力でしょう。

うつ伏せ寝

うつ伏せ寝は、腰痛持ちの方にとって最もリスクの高い睡眠姿勢の一つとされています。

この姿勢では、腹部がマットレスに押されることで腰椎が過剰に伸展し、椎間関節や椎間板に負担がかかりやすいです。

また、顔を横に向けるために頸椎がねじれ、首や肩の痛みも生じやすくなります。

腰痛持ちの方がうつ伏せ寝の方には、腰椎の伸展を最小限に抑えるようなマットレスの硬さが必要です。

また、胸部や腹部への圧迫を軽減し、呼吸が制限されない環境を整えることも重要です。

しかしこれらの話も一貫性があるわけではありません。

実際に横須賀えびの治療院へ来院される腰痛持ちの患者さんの中にはうつ伏せ寝の方が楽という患者さんもたくさんいらっしゃいます。

横向き寝

横向き寝は、肩や骨盤に圧力が集中しやすい姿勢である反面、腰痛持ちの方にとっては非常に楽な姿勢であると言えます。

特に急性腰痛(ぎっくり腰)の場合は横向きで寝ることが楽であることが多いです。
ぎっくり腰(急性腰痛)について詳しく見る→

しかし、この姿勢でマットレスの硬さが適切でない場合、肩や頭部に過剰な圧力がかかり、筋緊張や関節痛が発生する可能性があります。

また、頭部の位置が不適切だと脊椎全体が歪み、腰痛を悪化させる原因となる可能性があります。

腰痛持ちの横向き寝の方にとっては、肩や骨盤が適度に沈むような硬さのマットレスが必要です。

特に、体圧を分散しながら脊椎の直線性を保つ寝具が、腰痛の予防と改善に効果的です。

骨格の特徴別の腰痛への影響とマットレスの硬さ

反り腰

反り腰の方は、腰椎の前弯が強調されることで腰痛が発生しやすくなります。

睡眠姿勢の項目でも解説した通り、仰向け寝の際に柔らかすぎるマットレスを使用すると、骨盤が過剰に沈み込み、腰椎の前弯がさらに悪化します。

その結果、多裂筋や脊柱起立筋などの筋緊張が増加し、慢性的な腰痛や炎症が引き起こされることがあります。

反り腰の腰痛持ちの方には、骨盤の角度を適切に調整し、腰椎への負担を軽減するようなマットレスの硬さが求められます。

さらに、腰椎を支える工夫として膝下にクッションを配置することで、腰痛を緩和することが可能です。

実際に横須賀えびの治療院で過度な反り腰な方で腰痛持ちの患者さんには膝の下に膝枕を入れて施術を行うケースもあります。

骨盤の角度とマットレスの柔らかさは互いに相関関係にあります。

猫背

猫背の方は、胸椎の後弯が強調されるため、腰痛を併発する可能性があります。

この骨格の特徴は、肩甲骨や腰部が適切に支持されない場合、筋肉の過緊張や血行不良を引き越しやすい体勢になります。

特に硬すぎるマットレスでは、背中が十分にフィットせず、腰部の負担が増加する可能性があります。

腰痛持ちで猫背の方には、背中全体が均等に接触するマットレスの硬さが必要だと考えられます。

さらに、頭部や頸椎の角度を適切に調整することで、腰痛の発生を抑えることが期待されます。

体型別の腰痛への影響とマットレスの硬さのまとめ

腰痛持ちにとって、マットレスの硬さは脊椎のアライメントの維持や体圧分散において重要な役割を果たすことは確かです。

体型や睡眠姿勢、骨格の特徴に応じた適切な硬さを選ぶことで、腰痛の予防や改善できることは考えられます。

しかし、何度も繰り返しになりますが、腰痛の原因や症状は個々で異なるため、自分の体に合ったマットレスを探すことは至難の業です。

また、体型は日々変わります。来年も同じ体型で入れる保証はありません。

財力に余裕のある方であれば、その都度体に合わせたマットレスを購入することは可能でしょうが、現実的ではありません。

睡眠姿勢に関しても、上記で解説したのはあくまで教科書上の話、机上の理論です。

寝ているときは自分がどんな体勢になっているかなんてわかるはずがありません。

むしろ寝る姿勢を意識しすぎて眠りが浅くなってしまうことのほうが腰痛改善の妨げになってしまい本末転倒です。

このコラムの冒頭でもお伝えしましたが、こういった観点から見ても、腰痛持ちに方にとって適切なマットレスがあるのかどうか?という点に関しては「明確な答え」はないのです。

体に合わない寝具でも腰痛にならない人がいる理由

世の中にはどこで寝てもどんな体勢で寝ていても、体に合わない寝具を使用していても、腰痛を感じない人がいます。

腰痛持ちの方にとっては羨ましいことです。

しかしこの現象にはきちんと理由があり、今現在腰痛持ちの方でも、マットレスや睡眠姿勢などを考えずとも、「個人差」「適応能力」「睡眠の影響」といった内容がしっかりと理解できれば誰もが羨む、どこで寝ても腰痛が起こらない人へ変わることができます。

腰痛持ちの方が大切にしてほしいことはマットレスの知識よりもこれから解説する部分にあると私は考えています。

それぞれを詳しく解説していきます。

痛みの定義

痛みの感じ方には大きな個人差があります。

疼痛学および脳科学の分野では、痛みは単に身体的な刺激の結果ではなく、感覚、認知、感情、記憶といった様々な要素が関与する「生物-心理-社会モデル」として定義されています。

最新の痛みの定義(国際疼痛学会2020年改訂版)では、痛みは「実際の組織損傷またはその可能性に関連する不快な感覚および情動体験」とされています。

少し難しいので噛み砕いてお伝えすると、「痛い」というのは、単に筋肉や関節、靭帯、神経などに対する侵害刺激で感じるものではないということです。

腰痛持ちの患者さん一人一人が痛みが起こった時に何を感じ、どう思うか?によって痛みの感じ方が変わるということなのです。

この痛みの定義は2020年に国際疼痛学会によってしっかりと科学的に定義されている事実なのです。

より掘り下げて解説します。痛みを脳科学的に考えても、痛みの知覚は主に脳の「視床」「体性感覚皮質」「島皮質」「前頭前野」「扁桃体」などの部位が関与します。

これらの部位は、痛みの強さだけでなく、痛みに対する感情や予測、記憶を処理する領域でもあります。

個人差は、これらの脳内ネットワークの構造や活動性の違いに起因するとされています。

たとえば、扁桃体の過活動は痛みの過敏性を高める一方、前頭前野の活動が高い人は痛みを抑制しやすいことが示されています(Apkarian et al., 2021)。

具体的には痛みを感じづらくする神経システム(下降性疼痛抑制系)が存在しますが、詳細は適応能力の部分で解説します。

扁桃体とは不安や恐怖などの感情を処理する場所であり、その場所が過剰に活動することで、つまり痛みに対して不安や恐怖が強いと痛みに対して敏感になるということがわかっています。

前頭前野行動の意思決定や決断を行う領域であるため、目標設定や活発に行動しようとする意思が強い場合には痛みを感じづらくなるということです。

そんなことある?と思うかもしれませんが、慢性的な腰痛持ちの方は絶対にこの経験があるはずです。

仕事の時にデスクに座っていると腰が痛いのに、友人とランチをしている時は何時間座っていてもその時は痛みを忘れていた、、、。

という状態です。

仕事の際は、もちろん腰が気になるとは思いますが、それ以外にも様々なストレスにさらされています。もちろん扁桃体の働きが過剰になるので痛みは感じやすい状態になります。

逆に友人といる時は楽しい、ハッピーな気持ちになり、次はいつ会う?今度はどこへ行く?など行動の意思決定や決断を自然と行なっている状態であり、次回の予定(目標)などを立てることも行なっているのです。

つまり前頭前野が活発に働いている状態であれば痛みは感じづらくなります。

が、帰りの電車では「明日から仕事だ、、、」と、また扁桃体が活発に働き始めます。

あるあるの問題は、今日座り慣れない椅子に長時間座ったから行けない。とまた関節や筋肉、姿勢などに目を向けてしまうことです。

次はなるべく座る時間を短くしよう。もしかしたら次は腰が痛くて会えないかも、、、。と考えてしまうこともあります。

ここまで読まれた方はわかると思いますが、その思考によって扁桃体は活発に働きます。つまり姿勢云々の前に自分自身で痛みを感じやすい状態にしているということです。

脳内の様々なネットワークによって痛みを感じることがあるという基本的な部分を理解しておくことが大切です。

また、神経伝達物質やホルモン(セロトニン、ドーパミン、エンドルフィン)のバランスも痛みの感じ方に影響を与えます。

これらの物質が豊富に分泌されている人は痛みを感じにくく、逆に不足している場合は痛みに敏感になることがあります。

これも仕事と遊びで分泌量が全く異なります。

セロトニンやドーパミンなど幸せで活発な時に分泌量が増えますので、友人といる時は痛みを感じづらいです。

仕事など嫌なことしている時は分泌が低下しますので痛みを感じやすいです。

こういった影響からも痛みを感じるという体の基本的な構造をしっかりと理解しましょう。

筋肉、関節、姿勢。それだけだと思っているのは実に浅はかです。

適応能力

人間の身体は不適切な環境にもある程度適応する能力を持っています。この適応能力は解剖学的、生理学的、神経生理学的なメカニズムによって支えられています。

解剖学的には、筋肉や靭帯、関節包が柔軟性と可塑性(良くも悪くも変化できる)を持っており、負荷がかかった場合でも一時的にその状態に適応することができます。

たとえば、数十分同じ体勢で座っていると少しお尻の位置をずらしたり、足を組み替えたりします。

そういった体位変換が起こることで、体圧が特定の部位に集中してしまう状態や筋肉や靭帯や関節包が硬くなることを防ぐ効果があります。

この足の組み合えや重心移動はほぼ無意識下で行われます。つまり本能的に適応しようとする能力があるのです。

少し話を戻すと、睡眠姿勢に執着しすぎている方はこの適応が出来ないが故に痛みを引き起こしやすい状態にな自分でしてしまっていることも考えられます。

神経生理学的には、脊髄後角や脳幹の「下行性痛覚抑制系」が、痛みを抑える役割を果たします。

ほとんどの方が、タンスの角に小指をぶつけても数分後には痛みを忘れてしまいます。

しかし中には次の日も、その次の日もあれからずっと痛い、、、と、なってしまう方がいるのです。

このシステムは、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を介して、脳から脊髄への痛み信号を減少させるのですが、関連する脳領域は海馬や扁桃体です。

そうです。また出てくるのが扁桃体です。

扁桃体は何に関与していましたでしょうか??

そうです。恐怖や不安です。

小指を思い切りぶつけて、「骨が折れていたら?」「腫れが治らなかったら?」「週末の旅行に支障が出たら、、、」などと過剰に考えてしまう方が中にはいらっしゃいます。

上記で解説した扁桃体が過剰に働くと痛みを感じやすくなる。という答えは、この下降性疼痛抑制系が正常に働かなくなってしまうからなのです。

睡眠の観点から

腰痛持ちの人がどこでも寝ても痛みを感じないのは睡眠そのものの質がいいという点が挙げられます。

睡眠不足や睡眠の質が悪い人が腰痛を感じやすくなる理由は、主に次のようなメカニズムが考えられます。

まず、慢性的な睡眠不足は中枢神経系の痛覚処理を過敏化させることがわかっています。

睡眠不足の状態では、脳の視床や前頭前野の機能が低下し、痛みを抑制する能力が弱まります。

一方で、痛み信号を強調する扁桃体の活動が亢進するため、わずかな刺激でも痛みを強く感じるようになります(Finan et al., 2013)。

ここでも出ててくるのが、扁桃体と前頭前野です。痛みにとって非常に重要であることがそろそろ理解できてきましたでしょうか?

さらに、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、組織修復や炎症の抑制に重要な役割を果たします。

睡眠不足ではこのホルモンの分泌が減少し、筋肉や関節の回復が遅れるため、腰痛が悪化するリスクが高まります。

また、睡眠不足による免疫系の低下も、炎症性サイトカイン(痛みを感じるホルモン)の増加を引き起こし、痛みの感受性を高める要因となります。

どう寝ても腰痛にならない人のまとめ

体に合わない寝具でも腰痛を感じない人の特徴はおわかりいただけましたか?

疼痛学や脳科学の観点からは、痛みの感じ方は個々の脳内ネットワークや神経伝達物質の違いによって左右されるのです。

また、適応能力は筋肉や関節や関節包の柔軟性と神経系の可塑性によって支えられ、不適切な環境への適応を可能としています。

さらに、睡眠不足が腰痛に与える影響を考慮すると、寝具以外の要因も腰痛の発生や悪化に密接に関与していることがわかります。

腰痛を改善または予防するためには、個々の痛みの特性を理解することが第一優先であり、その結果自分に足りない部分を補うことがとても大切です。

腰痛持ちに最適なマットレスの硬さのまとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

結論、現時点では、「腰痛持ちに最適なマットレスの硬さ」に関する絶対的な答えは存在しません。

中程度の硬さや体圧分散型のマットレスが効果的であるとの研究結果が多い一方で、個人差や生活習慣、睡眠環境による影響も無視できません。

腰痛改善を目的としたマットレス選びでは、自分の体型、睡眠姿勢、腰痛の症状に合ったものを選ぶことが大切ですが、永遠と同じ体型でいれるわけもなく、寝ている時の睡眠姿勢に関しても意識することは不可能です。

また、どんなマットレスで寝ていても腰痛が起きない人の条件を見てもマットレスの硬さや睡眠姿勢が関連しているわけではなく、「痛み」に対して体が感じづらい状況を作り出せている。という点も非常に大切な要素です

どうしても、姿勢、筋肉、歪みなど目に見える部分にばかりフォーカスされてしまいます。

ここ数年の医療機器の発達によって脳内の波形を目で見ることができるようになったため、2020年に痛みの定義が改定されたり、痛みは脳で感じているということがわかってきています。

腰痛持ちの方はマットレスにこだわるのではなく、もっと本質的な部分の改善を行うことが大切だと感じています。

マットレスを買う前に、ぜひ一度横須賀えびの治療院へご来院ください。

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そんな時に、この治療院のホームページを閲覧したことで、院長のハッキリとした治療の方向性が掲載されていることから、「ここだ!」と思って連絡して正解でした。
現在は、週に1回のペースで通っていまして、私の腰痛の原因となる部分が何か所も連動していることがわかってきましたので、それらを徐々に徐々に改善していく方向で実施しています。
自身の痛みの根本的な原因がわからず、悩み苦しんでおられる方は、ぜひ、電話して予約して、診察を受けることをオススメします。
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全身の症状が改善しました!

症状:仕事の疲労による慢性的な肩こり、腰痛、膝痛、坐骨神経痛

首、腰、膝と痛みで身体を動かすことも辛い日々を過ごしていました。施術中はくだらない話で盛り上がり、施術後は身体の痛みは消え、とても軽くなります。最近では「痛くてどーにもならない。」という事が少なく、動いた後でも身体の痛みが出ない事が多くなり、外出する事が楽しみになっています。痛みが少なくなると、また違った身体の可動域が気になり、質問すると根本的に治していく方法をアドバイスしていただけました。どんな事を質問しても、知識に溢れているため、的確なアドバイスが聞けて、とても心強いです。

【Google口コミより】

横須賀市|Li様|50代|女性

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横須賀えびの治療院院長の海老野です

最後までお読みいただきありがとうございます。


専門学校入学と同時に治療業界で修行を始め13年が経ち、これまでに2万5千人以上の患者様の治療を行ってきました。


これまで数多くの病院を巡り、治療を行ってきたけれど中々改善できずにネットで色々調べてこのページに辿り着いた方もたくさんいらっしゃると思います。


ネットにはたくさんの情報が掲載されており、実施に何が正しいのかわからなくなってしまう方が非常に多いです。


ここではこれまでの私の治療の経験と、欧米での最新の腰痛研究の論文を紹介しながら、横須賀えびの治療院の腰痛に対する考え方を紹介しました。


あなたの腰痛を改善するヒントになっていただけたら幸いです。

Please

来院前にお読みください!

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残念ながらこのような方には当院の治療(整体・鍼灸)をお勧めできません!

長時間のマッサージをやってもらいたい

治療(整体・鍼灸)効果よりもただ気持ちよく揉んでもらいたい

根本改善よりもなんとなくその場だけ楽になりたい

一回の治療(整体・鍼灸)で全てを治してもらいたい


このような治療(整体・鍼灸)をお望みの方は、当院ではお役に立てません。
リラクゼーション系やマッサージへ行かれることをおすすめします。

⚪︎

このような方達に当院の治療(整体・鍼灸)をお勧めします!

3カ所以上の病院、鍼灸院、整骨院、治療院へ行ったが改善しなかった

・慰安ではなく効果のある治療(整体・鍼灸)を受けたい方

・ご自身の健康に興味を持ち、本当にお体を良くしたいと思っている方

国家資格者(はり師・きゅう師)が行う安全で効果的な治療を受けたい方


当院はこのような皆様のお役に立てると思います。
お気軽にご相談ください。

Access

アクセス情報

神奈川県横須賀市久里浜1-5-14 鈴木ビル4F
久里浜商店街「マリノス通り」
京急久里浜駅から徒歩1分
JR久里浜駅から徒歩3分


【近隣駐車場多数あり】
お車でお越しの方は、イオン、京急ウィング、コインパーキングをご利用ください。

Last Resort

どこへ行っても治らなかった。
何をしても治らなかった。
もう無理だと諦めた人達の
「最後の砦」

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